事故のこと

保険会社に入ってるのに交渉してくれない?|事故対応でできること・できないこと

保険猫シドニー

私は保険猫シドニー。
事故担当者の心のオフィスに住む猫。
今日も、人間の電話を聞いている。

もらい事故の説明って、不思議なくらい同じ流れになるにゃ。

「相手の保険会社が対応しますので――」

ここまでは、だいたい順調。そして次に来るのが、

「え?交渉してくれないんですか?」

……はい、今日も現場あるある開幕です。

保険会社に入っているのに、どうして交渉してくれないのか。相手が悪い事故なのに、なぜ自分で相手とやり取りしないといけないのか。そう思うのは、かなり自然なことだにゃ。

でもここには、保険会社がサボっているとか冷たいとか、そういう話だけではない事情があります。今日は、事故対応で保険会社にできることとできないことを、猫でもわかる言葉で書いていくにゃ。

もらい事故で、空気が変わる瞬間があります

こちらはいつもの説明のつもりでも、受け取る側の温度は毎回少し違うにゃ。

相手保険会社が対応する流れを伝えると、「なるほど」と安心してくれる方もいれば、少し間をおいてから、

「じゃあ、こちらでは何をしてくれるんですか?」

と聞かれることもある。電話口でその空気の変化があると、「あ、今日はあの説明が必要な日だな」と静かに察する瞬間があるにゃ。

もらい事故は、被害にあった側からすると、気持ちの上ではかなりわかりやすい。「悪くないのはこっちなんだから、保険会社が前に立ってくれるんでしょ?」そう思いたくなるのも自然だにゃ。でも実務では、そこが少しややこしいのだにゃ。

保険会社は、何でも自由に交渉できるわけではありません

ここで出てくるのが、少し聞き慣れない言葉にゃ。

非弁行為(ひべんこうい)

言葉だけ聞くと固いのですが、ものすごくざっくり言うと、法律上の交渉は、誰でも自由に代わりにやっていいわけではない、という線引きのことだにゃ。

たとえるなら、保険会社は事故対応のプロではあるけれど、どこまでも自由に代理人として振る舞えるわけではない、ということです。相手との示談交渉や、法律的な主張のぶつけ合いのような場面は、基本的には弁護士さんの担当エリアになるにゃ。

だから保険会社は、事故対応の流れを説明したり、必要な案内をしたり、契約の中でできるサポートをしたりはできます。でも、法律上できない交渉まで飛び越えて、代わりに何でもやることはできないにゃ。

「できない」は、やる気がないという意味ではありません

ここ、すごく大事なところだにゃ。

保険会社が交渉してくれないと聞くと、「保険料を払っているのに?」「じゃあ何のために入ってるの?」と思う人は多い。その気持ちはよくわかります。

説明している側としても、心の中では「いや、できるならやってますってば」と小さくツッコミを入れたくなる瞬間があるにゃ。

保険会社ができないのは、面倒だからでも、逃げたいからでもなく、法律上の線引きがあるからです。つまりここで起きているのは、気持ちの問題というより、役割の問題なのだにゃ。

じゃあ、保険会社は何をしてくれるの?

「交渉できないなら、何もしてくれないの?」というと、もちろんそんなことはないにゃ。保険会社ができることは、たとえばこんなものです。

事故の受付と契約内容の確認、
今後の流れの案内、
必要書類の説明、
相手保険会社との事務的な連携、
契約に基づく保険金支払いの対応、
弁護士費用特約など使える補償の案内。

こんなふうに、事故対応そのものを支える仕事はかなりしているにゃ。

ただし、そこに「相手と法律上の交渉を代わりにする」まで当然に含まれるわけではない、というだけです。この違いが、事故の直後にはかなりわかりにくいのだにゃ。

「じゃあどうするの?」で出てくるのが弁護士費用特約です

できない理由を聞いたあとで、多くの人が次に思うのはこれにゃ。「できないのはわかった。じゃあ、どうすればいいの?」

ここでようやく名前が出てくるのが、弁護士費用特約です。これは、保険会社が代わりに交渉するための魔法ではありません。でも、保険会社ではできない部分を、弁護士という別の役割の人に託すための仕組みとして、とても意味があるにゃ。

特に、もらい事故のように「こちらは悪くないのに、話を進めるために動かないといけない」という場面では、その価値が見えやすくなります。

もらい事故で困るのは、気持ちと制度がずれることです

悪くないのはこっち。なのに自分が動かないといけない。保険会社に入っているのに交渉してくれない。なんだか損した気持ちになる。この感覚は、かなり自然だにゃ。

でも制度の側は「気持ちがどうか」ではなく「誰がどこまでできるか」で動いています。だから大事なのは、納得できない気持ちを無理に消すことではなく、どこまでが保険会社の役割で、どこからが弁護士の役割なのかを分けて考えることにゃ。そこが見えるだけで、事故対応のモヤモヤは少し減ります。

🐱 オフィス猫メモ

保険会社に入っているのに交渉してくれない。そう聞くと、がっかりするのは自然だにゃ。

でもそれは、保険会社が何もしてくれないという意味ではないにゃ。事故対応には、できることと、法律上できないことの線引きがあるにゃ。

そして、その”できない部分”をつなぐために意味を持つのが、弁護士費用特約だにゃ。

もらい事故のときほど「なんで?」が増えやすい。だから大事なのは、納得できない気持ちを無理に消すことではなく、どこまでが保険会社の役割で、どこからが弁護士の役割なのかを分けて考えることだにゃ。

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