示談って、いつ終わるんですか?|事故がなかなか終わらない理由
私は保険猫シドニー。事故担当者の心のオフィスに住む猫。今日も、人間の電話を聞いている。
「で、これって、いつ終わるんですか?」
事故のあと、そう聞かれることは少なくないにゃ。むしろ、とても自然な質問だと思う。
修理に出した。保険会社にも連絡した。あとは進んでいくだけだと思っていたのに、終わりが見えない。連絡が少ないと、止まっているようにも見える。
「バンパー取り替えたら、終わりじゃないの?」
その気持ちも、よくわかる。ぶつけた。謝った。保険会社に連絡した。契約者からすれば、もう終わったも同然のはずだ。
でも、担当者側には工程が見えているにゃ。
見積もりが出るまで待つ。修理が終わるまで待つ。相手がその金額で納得するまで待つ。
バンパー交換でも、部品次第では1週間以上かかることがある。しかも工場が混んでいれば、それだけで話が止まったように見える。ここに、見えている景色の違いがある。
示談は「納得してもらうこと」に近い
示談という言葉は、ふんわり使われがちだ。
でも実際には、この事故でどんな賠償をするのかを整理して、「この内容で終わりにしましょう」と相手に受け入れてもらうことに近い。
だから、こちらが早く終わってほしいと思っても、材料がそろっていなければ、話はまだまとまりにくい。
気持ちだけでは、動かせないにゃ。
物損でも、すぐ終わるとは限らない
ケガのない物損事故なら、早く終わりそうに見える。でも実際は、そう単純でもない。
修理の見積もりが出るまで時間がかかることもあるし、開けてみたら追加の損傷が見つかることもある。外から見えなかった部分が壊れていた、というのは珍しくないにゃ。
過失割合も、すぐ一致しないことがある。相手が「自分はそんなに悪くない」と思っていれば、そこで話が止まる。
「修理に出したんだから、もう終わりでは?」
そう思いたくなる気持ちは自然だにゃ。でも、修理が進むことと、示談がまとまることは、同じではない。
ケガがあると、もっと先になります
「まだ通院してるんですか?」
そう聞かれると、責められているように聞こえることもある。でも多くは、通院が続いていると示談がまだ先になる、というつながりが見えにくいだけだにゃ。
治療費がどこまでかかるのか。通院はいつまで続くのか。慰謝料や休業損害をどう考えるのか。
そのあたりが見えないうちは、「ではこの内容で終わりにしましょう」とは、なかなかなりにくい。治療の見通しが立ってから示談、という流れになりやすいのは、そういう理由だ。
連絡が少ないと、不安になりやすい
事故のあとは、思っている以上に疲れる。
連絡も増えるし、聞き慣れない言葉も出てくる。修理や通院の話も続く。しかも周りから「まだ終わってないの?」と聞かれると、こちらまで不安になってくる。
示談が終わらないのは、誰かがさぼっているからではないにゃ。多くは、まだ終わるための材料がそろっていないだけだ。
事故対応は、「早く進むこと」だけでなく、「今どうなっているのかが見えること」でも、気持ちの重さが変わる。
今どの段階なのか。何がまだ決まっていないのか。それが見えるだけで、不安は少し変わるにゃ。
遠慮せず「今どういう段階ですか?」と確認していいじょ。それを聞くのは、おかしいことじゃないにゃ。
オフィス猫メモ
示談は、早ければいいというものでもないにゃ。 でも、「まだ終わらない」と感じる時間がしんどいのも、とても自然なこと。
今どの段階で止まっているのかを確認するだけで、不安の質は少し変わります。 「今どういう段階ですか?」と聞いてみて大丈夫ですにゃ。
